連載

地震国日本『共存の備えと対策』


≪第5回≫地震との共存【その2】

引き続き、上部構造の重要な要素にテーマを絞ってお話いたします。
それは、「耐震壁の重要性」です。当然この「壁」の持つ意味や「存在意義」は地震時の
「水平力負担」となり、法体系においても「構造設計の基・規準」に記載されています。
最も重要な耐震要素の「配置計画」を誤ると即欠陥に結び付き、甚大な被害となります。
建築物の構造形式にもよりますが、「静止させる」の原点に立ち返れば「捩れる事」の阻止や
上下方向で「剛性のバランス」を計画にしっかり反映する努力が必要となってきます。

一般の木造家屋や低層建物におして、「耐震壁の変形」は中地震の遭遇時に「層間変形角」 として
1/120及び1/200の制限値があります。
当然、この変形= 「せん断変形」+「曲げ変形」+「基礎の回転」のはずです。
「液状化」で建物の全体傾斜による「基礎の回転」がとても厄介です。
なぜなら、「上部の構築物の耐震壁配置」と密接に因果関係があり各階の「立面配置」において
「ランダムな耐震壁の配置」に起因している例が多々見られます。

そこで、改修時には「立面的配置に市松状配置」とする構造計画をお薦めいたします。
この「立面的配置に市松状配置」を外周面に組み込まれたなら「構築物全体をブレース」として
見なす理想的なものにたどり着きます。
木造家屋においては、上記の架構計画で「施行令第46条第4項」による「告示第1352号」が
とても重要になります。すなわち「4分割法」です。
今は「特例」で緩和していますがいずれ緩和がなくなる事を前提にこの際、
この「4分割法」を意匠の建築士にも理解が
必ず必要となります。

何でも「構造」に「丸投げ・まかせっきり」では説明責任が果たせない。
簡単にこの仕組みを各セミナーの開催会場にてお話しますが、建物を外周からX、Y方向ごとに「4分割」して
その外周輪郭ゾーン内にある「耐震要素の評価」をするものです。
専門的用語では、「壁量充足率」や「壁率比」を規定値以内に納めるものです。
いずれ「4分割による検討書」の確認申請時の提出義務で困惑されるはずです。
また、今回の大震災の発生時刻(午後2時46分)で一般家庭での「火気使用」の時間帯でなかった事も
「液状化地域」に火災の発生を抑えられたのも幸いしています。
そこで、私は施行令第109条の2の規定に注目しています。

ご存知の「準防火地域内における層間変形角」の1/150以内に納めるものですが、
建築 確認申請上は「検証済み」であっても「液状化による建物傾斜による変形」が伴うはずですから、
この規定にもただし書きの是正対象の余地があると考えます。
この事も見直しの時期が来るでしょう。当然、「耐震要素の適正配置」と関連いたします。

次回・・・「≪第6回≫地震との共存【その3】

前回・・・「≪第4回≫地震との共存【その1】

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