連載

塑性理論4『耐震安全性から』


≪第6回≫実務での構造設計上の流れ【その6】

引き続き、「部材の変形性能から」として構造耐力上主要な部分について記述します。

「耐震壁」の場合は
耐震壁の変形性能は、性能の高い順にWA、WB、WC、WDの4段階のランク分けです。
変形性能の高いFAとランク分けされる為には、「せん断破壊をするおそれがない」が
条件となります。
柱・梁と同様にせん断強度式の適用性を考慮し、適切な最も小さい余裕度を設定し、
せん断強度が崩壊メカニズム形成時に耐震壁に生じているせん断力を十分余裕をもって
上回るようにします。

耐震壁では、特に「曲げ耐力」及び「基礎の浮き上がり耐力」を上昇させる境界梁及び
直交梁の押え効果や「杭の引抜き抵抗力」を適切に考慮して、崩壊メカニズム時の
せん断力を算出する事になります。
また、耐震壁の部材種別の判定は、「破壊モード」のほか、「崩壊メカニズム時の
平均せん断応力度のレベル」によりランク分けです。

「柱・梁接合部」の場合は
この部位の部材種別の判定はないが、柱や梁の断面積に対して、主筋量が過剰な場合には
最大強度が柱や梁の曲げ降伏で予想強度の低下や、接合部側にひび割れや付着の劣化から
圧縮ストラット形成せずに「圧縮破壊」が集中しやすい。また、高強度で太い径の柱主筋
や梁主筋を接合部のパネル部内に通し配筋した場合には、「復元力特性」のエネルギーの
吸収性能が低下しスリップ現象が発生し、耐震設計上望ましくないので柱や梁に曲げ降伏が
生じる以前に柱・梁接合部にせん断破壊しない確認をするのです。

最後に、「杭・基礎地中梁」の場合は
この部位についても変形性能の検討は望ましいが、
崩壊メカニズム時の基礎・地下構造部の応力・変形状態の予測は容易ではない。
そこで、一般的には「一次設計時の応力」を比例倍率にて「崩壊メカニズム時の応力」とする方法や、
杭・基礎地中梁・地盤の連成系モデルにて解析を行う方法などがあります。

上記以外には、計算外の構造規定として鉛直荷重時の規定を満足した上で、
地震荷重時において柱梁接合部のせん断補強筋量や X,Y方向の地震力の同時性を考慮して
柱及び耐震壁の設計用付加軸方向力の割増しがある。

前回・・・「実務での構造設計上の流れ【その5】

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