連載

耐震安全性を考える


≪第5回≫さまざまな疑問から【その5】

前回の予告どおり部材の内部を解説していきます。いきなりですが、「仕事」って。
何なのか?工学の分野では、「力とその作用点の位置の変位のスカラー積」なのです。
変位と力の方向が一致するとき、仕事(W)=P・δで示されます。
また、モーメント(M)と回転角(θ)の積(=M・θ)でもよいのです。
力によって仕事がなされると、構造物には「ひずみ応力」が発生します。
正確には、「ひずみ」と「応力」ですが、これの積を寄せ集め(積分)ていくと「ひずみエネルギー」が求まります。

仕事には、「外力仕事=外乱」と「内力仕事=負荷の制御」があります。
一般には「外力仕事」は、WEX= P・δで表わされ、「内力仕事」は、WIN= M・θです。
構造物が静止(釣合い状態にある)しているとは、WEX= WINなのです。
この理論が「仮想仕事法」なのです。だんだんと、理解出来てきたはずです。
「塑性域」を考えると、外力の力はPuとなり、内力のモーメントはMpとなります。
ですから、外力の力Puは「崩壊荷重」とも呼ばれています。
この荷重を求めるのは上記の釣合い状態式を式展開すれば、Pu= Σ(Mp・θ)/δ求まります。

ここで、注意するのはδ≒部材長さLとなる理解です。
一般にはθは十分に小さいので回転角θが微小なら、
δ= L×θの関係式で近似的に求めることとなります。
よって、「崩壊荷重」Pu=Σ(Mp・θ)/Lで与えられます。

前回・・・「≪第4回≫さまざまな疑問から【その4】

次回・・・「≪第6回≫さまざまな疑問から【その6】

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