連載
耐震安全性を考える
≪第3回≫さまざまな疑問から【その3】
法律の想定していない事象について、今回の『東日本大震災』は、私たち技術者にさまざまな疑問を
投げかけてくれました。その中で特に疑問は「津波荷重」です。難易度はとても高いです。
幾多の過去の大地震後に襲う「海面の変化」が内陸部に容赦なく入って、南三陸町では「防災対策庁舎」すら
津波被害を受けました。
押し流しより、引き波の強大さも「被災地の状況」が教訓として教えてくれています。
改めて、犠牲者の冥福をお祈りいたします。先人の知恵から「高台への避難」もまた
「時間との勝負」であり、
海抜の低い地域の方々の「居住の安全性」が検討課題になり、国の防災会議や今後の施策では
最も重要なポイントとなります。長年の居住地に愛着があり、「スーパー堤防」まで設置されていてもそれを乗り越えた
今回の「未曾有の大津波」は人々の心・脳裏に焼き付き続けます。
静岡県が独自に示していた「津波荷重」の指針もありますが、この地域では予想される
「東海」「東南海」「南海」の三連動地震となれば、指向性となって「陸地」に海面の
変化が襲い、その規模やスケールの大きさにもさらなる警鐘がなされています。
地球上のどの地であっても、「重力加速度」による地震荷重の洗礼を受けます。
そして、わが国のように、四方、海に囲まれている国土の状況下では、海底のプレート破壊形地震の場合、
「津波」を覚悟しなければならない運命にあるのです。
内閣府の「津波避難ビル等に係るガイドライン」を参照に、
下記に「津波波圧算定式」を示します。
津波波圧算定式 : qx=ρg(3h-z)
ここに、
qx : 構造設計用の進行方向の津波波圧(kN/㎡)
ρ : 水の単位体積質量(t/㎥)
g : 重力加速度(m/s2)
h : 設計用浸水深(m)
z : 当該部分の地盤面からの高さ(m)(0≦z≦3h)
以上が参考になります。
ただし、これは進行方向の津波波圧であり「引き波圧」が建物質量や側方水圧など「疑問の残る」のがあるのも事実です。
前回・・・「≪第2回≫さまざまな疑問から【その2】」
次回・・・「≪第4回≫さまざまな疑問から【その4】」


